スパム対策 導入事例 株式会社菱食 様

導入事例

毎朝スパム削除に時間を割く現状を把握

国内トップクラスの売上高を誇る食品卸売業の菱食では、21世紀型の卸売業としてパラダイム転換を図るためにさまざまな取り組みを展開している。そのひとつとして、営業担当者のフィールドワークを実施。その結果、スパムメールの削除に、毎朝、貴重な時間を割いていることが判明した。この事態を重く見た同社は、この非生産的な作業から社員を解放するべく、対策を検討。最終的に同社が選んだソリューションは、スパムウォッチャーであった。

株式会社 菱食
戦略機能部門(IT・ロジスティクス)統括
ITネットワーク本部 理事
本部長代理
稲垣 登志男氏

株式会社 網屋
サービス事業部
リスクマネージメントサービス部
アカウントディレクター
高橋 博幸氏

会社紹介

株式会社 菱食

所在地: 〒143-6556 東京都大田区平和島6-1-1
事業内容: 加工食品卸売業など
URL: http://www.ryoshoku.co.jp

朝一番のスパムメール削除を改善

菱食では21世紀型の食品卸業のあるべき姿を求めて、2008年1月に3日間にわたって営業担当者の業務内容の詳細なフィールドワークを実施した。その結果、幾つかの課題が浮き彫りになったが、そのひとつが、始業とともにスパムメールを消すという作業を強いられていることであった。作業に費やす時間は10分足らずかもしれないが、朝一番に、非生産的な作業を強いられるのは好ましいことではない。しかも、大切なメールをスパムと間違って消してしまう恐れもあるため、おざなりに済ませることができる作業ではなく、社員にとっては精神的な負担となっていた。「当社の場合、毎日約13万件のメールが飛び交いするが約5万通ほどの迷惑メールを受信していました。わたしもそうだったんですが、出社してパソコンを立ち上げ、メーラーを開くと大量の迷惑メールが届いていました。できれば一気にパーッと消してしまいたいんですが、もし間違って自分宛の大切なメールを消してしまっては大変なので、ひとつひとつ確認して削除していかなければなりません。それがけっこうストレスになるのです。迷惑メールはそれなりの社内地位の人に多く受信され忙しさを鑑みれば少なくとも、出社して最初にやりたい作業ではありません」(菱食ITネットワーク本部本部長代理稲垣登志男氏)と、スパムメールが社員の業務に及ぼす影響を指摘します。

自前のスパムフィルタの限界と問題点

調査結果を受けて、ITネットワーク本部では、スパムメールを排除するためのフィルタを自前で構築し、2008年5月からスパム対策の運用を始めた。「社員一人一人に届いた迷惑メールを申請してもらい、われわれがそれを登録するシステムを構築したのです。この仕組みはある程度の効果は上げましたが、社員はスパムメールが届く度に申請しなければなりませんし、われわれITネットワーク本部にしても申請されたデータを登録する手間が必要となります。実際、迷惑メールを根絶できませんでしたし、社員からは面倒だという声が上がってきまして、何か根本的な解決策を考える必要に迫られました。

そこで、色々なソフトを調査しましたが、それ専用のソフトでなく、一杯機能がある中に迷惑メール退治するのがほとんどでした。その話を内部統制関連のシステム整備に協力してもらった、ITコンサルティング会社のブロードさんと雑談をしていたら、J-SOXサービスプロバイダーの網屋さんが扱っているスパムウォッチャーが当社の要求と合っているのではと紹介いただきました」(稲垣氏)。

スパムウォッチャーを評価運用

そこで、スパムウォッチャーの有効性を確認するために、スパムメールが多く、日頃何かとシステムに文句が多い社員約20人を対象に、スパム対策の効果を評価運用することにした。

8月の夏休みの時期に合わせてスパムウォッチャーを設置して、トライアルを実施したのである。

「トライアルに際し、菱食さんからは、今までどうしても排除できなかったスパムメールがあるので、それをはじけるかどうか確認したいというお話をいただきました。スパムウォッチャーの開発元であるテラステクノロジーは、卓越したスパム遮断技術を持っていますし、日本や韓国で特許も取得しています。また、24時間体制でスパムメールを監視してフィルタをアップデートしています。ですので、スパムの遮断にはとても自信がありましたので、ぜひ試してくださいとお勧めしました」(網屋 サービス事業部リスクマネージメントサービス部アカウントディレクター高橋博幸)

トライアルの結果を評価に協力した社員に確認すると、最初は「仕事のメールが消えているのではないか」といった声もあった。しかし、よくよく調べてみると利用者の勘違いであり、確実かつ的確にスパムを遮断できことが判明。期待以上の成果を出し、非常に満足できる結果となった。また、導入コストも他社に比べ、格段に抑えることができることから、菱食グループの約6000台のパソコンを対象に、スパムウォッチャーを導入することにした。

導入切替時間はわずか30分

一般に、全社的な規模でシステムを新たに導入するとなると、多くの場合、既存のシステムにも何らかの影響が出る。かといって、ネットワーク構成やバックアップ体制の大掛かりな変更は、業務の支障となりかねない。

しかし、スパムウォッチャーはアプライアンス製品であり、しかもブリッジモードに対応している。つまり、既存のネットワーク構成のまま、メールサーバーの前にスパムウォッチャーを設置するだけで導入が完了。DNSサーバーのMXレコードの書き換えといった設定変更は一切不要であった。

実際、本番導入に際しては、トライアル時のデータを本番用のスパムウォッチャーにコピーし、LAN配線を切り換えただけである。作業そのものは数分で完了し、メールの送受信の確認作業を含めても、切り換えに30分もかかっていない。

「菱食さんだけではなく、ほとんどの企業ではスパム対策のための仕組みを既に何らかの形で運用していますから、切り換えのための設定変更などが必要となります。しかし、スパムウォッチャーはブリッジモードに対応しているためメールサーバーの前に設置するだけでよく、既存のシステムの設定を変更する必要がありません。これは非常に大きなポイントだと思います」(高橋)。

「今まで迷惑メールの排除にさんざん悩んできましたから、これほど効果があるとは思いませんでした。スパムメール対策専用のアプライアンス製品ということで、やはり『餅は餅屋』ということなんでしょうね。社員は『そういえば急にスパムメールがなくなったんだけど、どうなっちゃったの』という感じで、事情が飲み込めないようでした(笑)。もちろん本番導入前にイントラネット上で告知はしたので、効果が予想以上だったということでしょう」(稲垣氏)。

スパムウォッチャーを導入前は、約1万件しかカットできなかったスパムメールが、同システムを入れてから全て5万件カットできるようになったという。社員が気付かないうちに導入が行われ、十分な効果を上げているのは、まさにスパムウォッチャーの導入・運用の容易性を示すものである。スパムウォッチャーは、今後も同社のメールを、静かに見守り続けていくに違いない。

株式会社菱食は加工食品卸売業を主業務として、缶詰類、調味料類、麺・乾物類、嗜好品・飲料類、菓子類、冷凍・チルド類、酒類、その他の販売を行っている。全国をサービスエリアとするナショナルホールセラーとして活動するため昭和54年8月1日北洋商事株式会社、野田喜商事株式会社 、新菱商事株式会社(本社:大阪)、新菱商事株式会社(本社:東京)の4社が合併して、誕生した.

お問い合わせ先

株式会社網屋
http://www.amiya.co.jp/
〒104-0033 東京都中央区新川1-10-14 ニューリバービルディング5階
TEL:03-3552-1331(代表) FAX:03-3552-1348